2006年02月03日

ヘーゲルの弁証法で未来予見!

夕方から新宿で、田坂広志さんの講演を見に行きました。

田坂さんは、ソフィアバンクというシンクタンクの代表をされている方で、

私がコンサル会社にいたときの上司の元上司に当たる人ということもあり、

数年前から、田坂さんの出版物はほとんど読むようにしてました。

講演は、「ヘーゲルの弁証法が教える世界の本質・社会の未来」という少し堅めのテーマ

でしたが、非常に興味深い内容でした。


田坂さんが最も重要としてあげた弁証法の法則は、

「事物の螺旋的発展」 です。

物事が発展するときは、直線的に発展するのではなく、螺旋的に、あたかも螺旋階段を登るように発展していく。 これを上から眺めると分かるように、ぐるっと回って、元のところに戻り (原点に回帰し)、

しかし単に元のところでなく、必ず一段高い場所に戻ってくる。


たとえば、最近はやりの「オークション」はかつての「競り(せり)」であり、「逆オークション」は、

かつての「指値」購買、「ギャザリング」は、「生協」の集団購買であり、「コンシェルジュ」は、

かつての「御用聞き」の発展版にあたります。

さらに言えば、

「E-ラーニング」は、かつての「寺子屋」の復活であり、

「電子メール」は、「文(ふみ)」の復活で、

「ナレッジコミュニティ」は、かつての「教えあい」の文化の復活となります。

このように、懐かしいものが便利になって復活しており、「未来進化」と「原点回帰」が

同時に起こっています。


かつては、この「螺旋的発展」には長い月日がかかり、歴史的考査に過ぎなかったが、

この螺旋的発展の速度は近年加速しており、人の一生という短期間で、この螺旋階段を

1周するのを目撃する時代が始めっています。 


つまり、この法則をヒントに、企業が市場や社会の変化を予見することも可能である

ということです。 何が「復活」してくるかを読み取り、新製品・サービスの発想に

役立てることができるということになります。

この「復活」を読むには、ステップとして、

@ 合理化、効率化の流れで、「消えていったもの」を見つけ、

A なぜ、消えていったのかを考える。

B 「消えていったもの」を新しい技術や方法で復活できないかを検討する。


田坂さんは、この「弁証法」ともうひとつ「複雑系」という哲学・思想を利用し、

未来の予見をされているそうです。



科学的な手法により、市場を分割、分析していく方法では、スピードの速い現代の社会・市場の大局を読むことは難しく、この弁証法といった、古典における物事の本質の洞察が、今日必要になってくるという講演でした。


「昔消えてしまったもので、今後復活するものは何か??」という問いで、今は頭がいっぱいです。 

posted by IZ at 03:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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