2007年09月06日

【メディチ・インパクト】 フランス・ヨハンソン(著)

「異なる専門分野や文化が出会う場所(=交差点)では、とてつもないアイデアを次々と生み出し、個人として、チームとして、組織としてその恩恵に浴することができるのだ。」 

中世ヨーロッパ、フィレンツェの富豪メディチ家のもとには、幅広い分野の文化人、芸術家、経済人など多種多様な人々が集まり、互いに学びあい交流をしていた。そこでは、異なる文化、領域、学問がぶつかり合い、融合し、最終的にいくつもの新しい画期的なアイデアが生み出され、のちに世に言うルネッサンスを開花させた。その時代のイノベーションを起したものは何かを探求し、現代にも通ずる「創造性のヒントを見出そう!」という書籍です。本書の概要は、

■ 異なる分野が相互に出会う場所を「交差点」と呼び、そこで革新的な新しいアイデアが次々と出会うことを
「メディチ・エフェクト」と呼ぶ。

■ 新しいアイデアといっても、2種類のアイデア、「方向的アイデア」と「交差的アイデア」とがある。

■「方向的アイデア」とは、あるひとつの分野のなかに含まれているさまざまな概念を結びつけ、ある特定の方向に沿ってアイデアを生み出すもの。 製品の改良など向かう方向性が決まっているものは、この方向的アイデアに当てはまる。 一方、「交差的アイデア」とは、複数の分野に属する概念を結びつけ、意外性に満ちた、まったく新しい分野を拓くアイデアを生み出すもの。

■ 本書でいう「交差点」とは、ただ単に2つの異なる概念を結びつけて新しいアイデアを生み出すことを意味するのではなく、通常では考えられないような組み合わせや結びつきである「交差的アイデア」が起きるチャンスが大幅に増える場所を意味する。


■ 歴史的にみて現代は、3つの大きな力(「人の移動」、「科学における相互乗り入れ」、「コンピューター技術の飛躍的向上」)によって、「メディチ・エフェクト」を起こすのに適した時代である。
■ つまり、グローバル化により人が地球上を自由に移動できるようになったこと、サイエンスの領域でますます分野を横断した研究が盛んに行なわれていること、そして、コンピューター技術の進歩により、異分野・異文化の情報の交流が容易に行なわれるようになったこと、という3要素により、今後、交差点が増加していくことが予想されている。


■ アイデアの質ともっとも強力な相関関係があるのは、「アイデアの量」であり、「交差点」で異なる領域のアイデアの組み合わせを大量に生じさせることで、「交差点」に身を置く人は、多くのアイデアからもっとも望ましいものを探し出すことができる。

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本書では、具体的にどうやって「交差点」の形成とアイデアの発生を促していくべきなのか、また実際に生まれたアイデアを実行に移す時に生じる問題と克服方法にも言及しています。

多様性があり、それらが相互に結びつき新たな価値が生まれる情報と人のネットワークを形成することで、創造性をコントロールすることは不可能であっても、それが起きるチャンスを増やすことなら可能なのだと思います。 例えば、この記事を投稿しているInsightnow!には、さまざまな専門分野のプロフェッショナル(ビジョナリー)が集まっています。 さらにビジネス分野以外のプロフェッショナルも加えて交流することができれば、小さな「交差点」ができるかもしれない。そしてそこから生まれたアイデアを実行にまで移すことができるならば、そのネットワークの交流は、最高のエンターテイメントになるのだと思います。

人間の頭のなかは、どうしても過去からの連想というもっとも簡単な道筋を通ろうとするそうです。 
自分が学び経験してきた分野の延長上のみで思考し、その枠にハマッていることに気がつかない。そんな固定的発想に限定されないよう、また読み返して刺激を受けたい1冊です。

posted by IZ at 01:42| 書籍