2007年10月03日

【ザ・プロフィット】(著)エイドリアン・スライウォツキー

「成功している企業は、自らの顧客をしっかり見据えたうえで、パワフルかつユニークな利益発生のメカニズム−利益モデル−を作り上げている」

世の中にあるビジネスの利益モデルを、23のパターンに分類して解説したビジネス書です。
「利益」とは何かを知りたい若者と「ビジネスでの利益が生まれる仕組みを知り尽くした男」との
対話形式の小説仕立で、とても読みやすくわかり易い内容になっています。本書で紹介している利益モデルをいくつか挙げると、

■ 顧客ソリューション利益モデル  〜 顧客を知ることが利益のはじまり 〜
まず時間とエネルギーを注いで、顧客について知っておくべきことを全て知り、その知識を顧客固有のソリューションの開発に活かしていく。短期的な損失には目をつぶり、長期の利益を実現しようというモデル。最初はコストや手間がかかっても、顧客固有のニーズ・問題を把握して、そのソリューションを開発してしまえば、その後は低いコストで長期的な収益が期待できる。このモデルが適用可能な分野としては、自動車部品、通信機器、個人受け金融サービスなどがある。

■ 製品ピラミッド利益モデル 〜 ファイアウォールで利益を守れ 〜
低価格帯商品を売ることで、他社がもっと安い値段で市場シェアを奪う可能性を実質的に断ち切るモデル。ピラミッド状に異なる価格帯の製品をラインナップさせ、最下層にはファイアウォールとして機能する防衛のための低価格製品を置き、最上部には強力な利益製造マシーンを配備する。

たとえば、通常のバービー人形は、20ドル、30ドルで売られているが、他社が低価格で簡単に参入できないよう、ファイアウォールとして10ドルのバービー人形も売り出している。 また、バービー人形で遊んでいた子供が母親になると、幼い頃に遊んだ思い出があるため、熱狂的なファンとして、今度は100ドル、200ドルの高級バービー人形でも子供に買い与える。それにより、結果的に企業は膨大な利益が期待できる。最近では、腕時計のGショックも同等の戦略をとっている。

■ インストール・ベース利益モデル  〜 売り手が主導権を握る 〜
最初の製品の購入時には、買い手に選択権があるが、購入後は売り手に「主導権」が移るというモデル。 購入後、買い手は売り手が提供する消耗品にロックインされ、そこの製品を使い続ければならない。一番分かりやすい例はプリンター。プリンター本体はただ同然で提供しても、その後の消耗品であるインクの販売で利益を回収する。

23の利益モデルを単純に羅列しているのでなく、パターン化しながらも、利益に対する「考え方」を説いているのが本書のいいところだと思います。 本書でいう「利益に対する純粋で絶対的な興味」を掻き立て、ビジネスと収益性との関係性を自ら考えることを促してくれます。

現在自分が展開しているビジネスからの新たな収益源を考えたり、新規事業のビジネスモデルを考えたりするときも、ただ漠然と思案するのでなく、まずは本書にあるようなパターン化された利益モデルを軸に考えると発想しやすいのではと思います。 「事業を考える頭」を養うためにも、たまに読み返しておきたい1冊です。

posted by IZ at 01:45| 書籍