2008年10月31日

百科事典は要らない。

先日、友人が某コンサルティング会社から上がってきたレポートをみて、
とてもがっかりしたという話をしていました。 全く内容がないレポートだったそうです。
 
その話の内容を聞いて、自分も随分昔に、同じような過ちをしたことを、
ふと思い出しました。

 

それは、ある業界で自由化が先行する海外市場を調査して、

今後の日本市場での顧客戦略を提言するプロジェクトでした。 

当時、MBA留学から帰国した新米コンサルの私は、意気込んで海外市場調査を進めていました。そして、馬鹿の一つ覚えで、調査結果を、セグメンテーションから始まり、お決まりのマーケティング理論に沿ったレポートを書きあげました。逆を言えば、その理論に沿って、漠然と調査を行ったわけです。

 

社内の中間レビューでレポートを発表したとき、パートナーに言われました。

 「君は、マーケティングの百科事典でも作るつもり? 論点はどこ?」 

当時、確かにガムシャラに情報を集めて、そこから何か意味を見出そうとしていました。 情報をたくさん集めて、マーケティング理論に即して整理すれば、そこから自ずとエッセンスが見えてくるかもという、とんでもない甘えた姿勢だったのかもしれません。


「レポートを書く時も、常に自分の立ち位置、ポジションを定めよ。」

 そうアドバイスをもらいました。 


今となっては、あまりに基礎的なことですが、当時は情報を必死に集めて、
それなりに価値を提供している気になっていました。


情報収集 ⇒ 意味理解 ⇒ 判断

この流れは、場当たり的で、よっぽど運が良くないと、ワークしない。 


適切な流れは、
 

論点 ⇒ 簡易調査 ⇒ 仮説 ⇒ 情報収集 ⇒ 検証 ⇒ 意味理解 ⇒ 判断

 

論点なく、情報を集めまくってはいけない。

百科事典など求められていない。


そんなことをこの時学びました。

posted by IZ at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム
この記事へのコメント
お世話になっております。

心に刺さりました。
僕は今まさに上記のような状況です。
勉強になります。
Posted by 清水 優太 at 2008年10月31日 15:37
清水様、

コメント有難う御座います。

ちなみに、ロジックで人に説明する必要がない調査の場合は、

目的→目的→目的→情報収集⇒直感!

ってのも最近はよくやりますが。。
Posted by IZ at 2008年10月31日 20:04
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