2012年08月07日

直感とひらめき

「直感」と「ひらめき」という言葉、
これまで、同意語として使っていました。

しかし、脳研究者 池谷祐次さんによると、
脳科学的には、この2つは全く別の脳内メカニズムをもつそうです。

両者とも、ふっと何かを思う付くという点では似ていますが、
「ひらめき」の方は、その思い付いた後に、なぜそうひらめいたかを
説明できるそうです。 一方の直感は、自分でも理由は分からないけど、
「なんとなくそう思う」という漠然としたもの。

理由を意識できる「ひらめき」は、理屈や論理を司る『大脳皮質』が作用し、
「直感」は、『基底核(きていかく)』という脳の部位が担当しているそうです。

この『基底核』は、「方法」、たとえば、楽器の演奏方法とか、
自転車の乗り方、箸の持ち方などを記憶するところ。
つまり、ここは無意識・自動的・正確で高度な記憶を操るところです。
これらは、繰り返しの訓練によって身に付くというのが特徴です。

ということは、同じ部位が担当している直感というのも、学習・訓練によって
身に付くもので、本人の努力の賜物であるということになります。
そういう意味で、いろいろな人生の経験は、「直感力」を育み、
直感力は年齢とともに成長していきます。 これは朗報です!

一方経験の少ない若者は、「ひらめき」を頼りにし、論理的思考を重ねてアイデアを絞り出す
作戦をとるのがいい。 そして、こういう訓練を繰り返し、たくさんの経験を積むことで、
将来的には直感力が養われていく。


私の尊敬する田坂弘志さんも、確か直感を磨くには、まず論理的思考を徹底的に
訓練する必要があると言っています。 論理と直感は対立概念でなく、
論理の先に、直感の世界が存在する。 直感力を磨くためには、
瞑想やアルファー派などに飛びつくのでなく、まずは論理思考を徹底して訓練しろと。

思考における、直感、ひらめき、論理の関連性、とても興味深いです。

posted by IZ at 13:56| 日記