2010年01月20日

感情の壁を乗り越える

私たちがアイデアを発想してから、それを実行に移すまでには、
いくつもの壁があります。

その中でも大切だけど見落としがちなのは、「感情」の壁です。


人間である以上、どんだけ論理的に正しいと判断しても 
それを最後まで推進していく上で、感情を無視できません。  

アイデアを思い付いた時は気持ちが盛り上がったけど、 いろいろと
考えていくうちに、マイナスな面に意識が向いてしまうことが
よくあります。 その過程で、最初の気持ちがだんだん盛り下がり、
失速していくというパターンに陥ります。 

私たちは、強く意識しないと、必要以上に思考が後ろ向きになりがち
のようです。  

特に理詰めで物事を考えだすと、批判的な視点が強まる傾向があります。 
それが建設的な批判ならいいですが、ときに破壊的な批判に終始してしまう。その結果せっかくの良いアイデアに対しても、不確実な不安要素に焦点が集まり、 まず感情的に「やっぱりやめておこう」となってしまいます。 
そして、その感情とのつじつまを合わすかのように、アイデアの問題点を
上手に論理的に説明し始めます。  


そのような傾向を加味した上で、新しいものを創造するプロセスを考え設計する必要があります。 

私が翻訳を担当した書「アイデアのつくり方を仕組み化する」では、 
アイデアの発想から実行にまでの創造プロセスを一連の枠組みで
解説しています。 そのプロセスの中では、アイデアのリスク・不安材料を
評価・検討するステップの前に、 とにかくそのアイデアの良い点だけを
挙げることに集中するステップが組み込まれています。  

これは、私たちがその後実行可能性などアイデアを評価・検討する過程で、
必要以上にマイナスな面に 意識が向く傾向とのバランスを取り、
アイデアが簡単に潰れてしまうのを防ごうというものです。  

新しいものを創造するプロセスにおいて、感情的はとても大切な要素です。 
論理的に物事を詰める冷静さと、アイデアを創造していく前向きな感情との
バランスを取ることが必要です。

そのために、いよいよアイデアを現実的な実行レベルへと落とし込む前に、アイデアの「ポジティブな面に焦点を当てる」というステップを一度必ず踏むよう、仕組み化しておくことは、創造プロセスにおいてとても有益なことなのだと思います。  

【参考書籍】

posted by IZ at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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