多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長の寺島実郎さんの
普段、企業レベルあるいは業界レベルの視座で物事を考えることが多いので、講演を拝聴しました。
世界レベルの潮流のお話がとても刺激的で興味深かったです。
印象に残ったキーワードの一つに「グレーターチャイナ」
というものがありました。
グレーターチャイナとは、中華人民共和国に加えて、
香港、台湾、そして華僑国家であるシンガポール
を含めた、「大中華圏」のこと。
日本の貿易相手国を見てみると、
1990年には、約30%が対米貿易であったのに対して、
2009年では、対米は13%に落ち、大中華圏が30%を
占めるように入れ替わっています。
何となく、ちょっと前までは、貿易と言えばアメリカで、
視線は、常に太平洋側に向いていました。
感覚として、太平洋側が「表」で、日本海というと、
イディオロギー体制の違う、ソ連・中国・北朝鮮という
国々と日本を隔ててくれている海として、「裏」という
イメージがありました。
ところが、いまや貿易は日本海側が主流になっています。
確かに、中国が台頭してきているという話は良く聞きます。
ただ、実態は、中国(中華人民共和国)単体ではなく、
グレーターチャイナがネットワーク的に発展しているので、
中国単体が、実態以上に大きくなった印象を与えているようです。
例えば、中国のエレクトロニクス産業の輸出の約半分は、
中国本土に進出した台湾メーカーのものだったりします。
つまり、企業レベルでもグレーターチャイナという連合体を
捉える視点が必要ということです。 単に中国を生産拠点とか
将来的に購買力を持つ単体のマーケットとして捉えるのでなく、
大中華圏のネットワークを連合体として考える。
例として、ファンケルという化粧品やサプリメントなどを扱う
日本の会社があります。
化粧品としてのブランド力は、日本では資生堂に敵わないですが、
大中華圏では、No1ブランドとして認知されているそうです。
(資生堂はNo,4)
これは、シンガポールなど大中華圏の一等地に店舗を出店し、
テレビCMなどでも高尚なブランドイメージの訴求を行うなどの
結果だそうです。 そして、今や中国からの観光客は、銀座にある
ファンケルショップにバスで乗り付けて来るまでになっています。
グレーターチャイナというネットワークを理解することが、
これからの中国・アジアにおけるビジネスを捉える上で
経営者に求められてくるのだと思いました。
寺島さんの新書、「世界を知る力」にもコンパクトに
書かれていてお薦めです。
というものがありました。
香港、台湾、そして華僑国家であるシンガポール
を含めた、「大中華圏」のこと。
1990年には、約30%が対米貿易であったのに対して、
2009年では、対米は13%に落ち、大中華圏が30%を
占めるように入れ替わっています。
視線は、常に太平洋側に向いていました。
感覚として、太平洋側が「表」で、日本海というと、
イディオロギー体制の違う、ソ連・中国・北朝鮮という
国々と日本を隔ててくれている海として、「裏」という
イメージがありました。
確かに、中国が台頭してきているという話は良く聞きます。
ただ、実態は、中国(中華人民共和国)単体ではなく、
グレーターチャイナがネットワーク的に発展しているので、
中国単体が、実態以上に大きくなった印象を与えているようです。
例えば、中国のエレクトロニクス産業の輸出の約半分は、
中国本土に進出した台湾メーカーのものだったりします。
捉える視点が必要ということです。 単に中国を生産拠点とか
将来的に購買力を持つ単体のマーケットとして捉えるのでなく、
大中華圏のネットワークを連合体として考える。
日本の会社があります。
化粧品としてのブランド力は、日本では資生堂に敵わないですが、
大中華圏では、No1ブランドとして認知されているそうです。
(資生堂はNo,4)
これは、シンガポールなど大中華圏の一等地に店舗を出店し、
テレビCMなどでも高尚なブランドイメージの訴求を行うなどの
結果だそうです。 そして、今や中国からの観光客は、銀座にある
ファンケルショップにバスで乗り付けて来るまでになっています。
これからの中国・アジアにおけるビジネスを捉える上で
経営者に求められてくるのだと思いました。
書かれていてお薦めです。