今年もあっという間に1年が過ぎてしまいました。
振り返ると、とても充実した1年だった気がします。
自分の中での今年の特徴としては、大きく2つ。
1. 本を出版したこと
2. プロジェクトの現場に携わったこと
1つ目は、本を出版したこと。
これまで、翻訳・監訳書の出版はありましたが、
今年は、自分の著書「3D思考」が出版されました。
実際に本書を書いたのは、数年前ですが、やっと出版されたので、
ひとつ区切りがつきました。
企画の段階から、長くお付き合い頂きたディスカバー社編集者の方に感謝します。
2つ目は、プロジェクトの現場に携わったこと。
今年の後半は、久しぶりにフルタイムでプロジェクトの
マネジメントの仕事をさせて頂きました。
クライアントの方々がとても気持ちのよい人たちばかりで、
多忙でしたが、とても楽しくかつ勉強になるプロジェクトでした。
数年ぶりにプロジェクトの現場にどっぷりと入り、
なんとなく忘れていた感覚がよみがえってきました。
今回のプロジェクトは、規模も大きく、多くの利害関係者が存在し、
かつ不確実性の高いものでした。
クライアント先以外の取引企業ともコミュニケーションをとる機会が多くあり、
そんな中、やはり当たり前のことを当たり前にできることが、
とても大切だなと痛感しました。
あまりにも基礎的なことですが、2つ挙げるとすると、
1. 自分が投げかけたコミュニケーションは必ず自分でクローズさせる
2. 議論したこと、決定したこと、依頼したことは、必ず文字(図)に落とす
■ 自分が投げかけたコミュニケーションは必ず自分でクローズさせる
たとえば、相手に何かを依頼する場合、もし依頼のメールを送って、
それで完了だと思っているなら、それはあまりに乱暴というか、無責任というか、
お粗末な仕事の仕方です。
それでいて、後になってその依頼が先方に認識されてなく
「○月○日にメール送ったじゃないですか!」
というのは、あまりにも幼稚過ぎます。
コミュニケーションは、自分の投げかけたものに対する相手の反応を受けて、
はじめて成り立ちます。
もし相手から返信がないなら、再度メールをする、あるいは電話をかけるなどして、
相手の反応を確認してはじめて「依頼する」という1つのタスクが完了します。
こういった1つ1つのコミュニケーションを丁寧に完了させていくことで、
はじめて仕事が進んでいきます。
相手が反応を確認するまでが、自分の仕事です。
自分が投げかけたコミュニケーションは、必ず自分でクローズさせる意識が大切です。
そして、もう1つ、
■ 議論したこと、決定したこと、依頼したことは、必ず文字(図)に落とす
たとえば、ミーティングをしても議事録に載っていないものは、いづれ消えてなくなります。
自分が議事録を書くときは、重要なことが漏れないように気をつけて書くはずですが、
誰かが書いたものをチェックする場合、結構見落とすことがあるはずです。
ただ、自分の立場からみて「重要なものは何か」を意識さえしていれば、
議事録をチェックすることは、それほど時間のかかる作業でないはずです。
後になって、「議事録には載っていなかったが、その話はしたじゃないですか!」
と言っても遅すぎます。
特に大きなプロジェクトでは、皆がそれぞれタスクを抱えて仕事をしています。
各々、「自分の役割において重要なこと」しか覚えていません。
ミーティングをしてるときは、みんなが明確に理解してくれたなと思っても、
しばらくすると、それは皆の記憶から消えていきます。
そのうち、そんなことを議論したことすら忘れさられます。
だからこそ、自分の仕事で重要なことは、文章にしっかり残して、
守っておく必要があります。
これは、きちっとした議事録をつくるケースのみのことではありません。
ちょこっと何かを議論した、確認した、アイデア出しをしたといった場合も、
必ず何か紙に落としておくこと。
簡単な図解を描くのでも、箇条書きでもいいでしょう。
議論を積み上げ、そして仕事を前に進めるためには、
その時点その時点で、言葉や図解で整理して次につなげることが肝心です。
久しぶりにプロジェクトの現場に入り、
こういった基礎的なことの重要さを再認識しました。
* * * *
今年は、多くの素敵な出会いがあり、とても楽しい年でした。
お世話になった方々、どうも有難うございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
では、よいお年を!!
泉本行志