「象の調教」のはなしをよく耳にします。
昔インドでは、捕まえてきた子供の象は、まず小さいうちに頑丈な竹につないでおく。
象はその竹をなんとか引き倒そうと試みるが、無理だとわかると、
もう抵抗することをやめてしまう。
その後、その象が大きくなっても、地面に打ち込んだ小さな杭に細い紐で縛っただけ
逃げなくなる。 大人の象の力をすれば、そんな杭、簡単に引っこ抜けるのに。。
「メンタルブロック」を作ってしまったからです。
また似たようなものに、「カマス実験」があります。
この実験は、カマスと餌の小魚を水槽の中に入れて、
カマスと餌の間に透明なガラスで挟む。
最初、カマスは餌を取ろうとし、そのガラスに何度もぶつかる。
そのうちに、ガラスの存在を学習し、ガラスにぶつかることをやめる。
その後、ガラスを取り外しても、もう餌に近寄らなくなってしまう。
同じく「ノミのサーカス」というはなしもあります。
これは、かつて犬、猫などに取り付く「ノミ」を調教してサーカスをやらせたという逸話ですが、
その調教方法も、前述のインドの象と似ています。
ノミを箱の中に入れてふたをすると、ノミがジャンプするたび、ふたにぶつかります。
そのうちノミは、ふたにぶつからない高さでジャンプするようになる。
そして、その後ふたをとったとしても、もうふたのあった高さ以上にジャンプをすることはない。
* * *
これまで、新入社員、あるいは転職してきた人が、
最初はとても前向きで元気があったのに、
しばらくするとびっくりするほど後ろ向きな人に変わってしまった
ケースをいくつも目にしました。
そこには、こんなメカニズムが働くのではないかと考えています。
(1) Aさんが、やる気と期待を胸に、会社に入社する。
(2) そして、Aさんは、既存のものを良くしたり、新しいものにチャレンジしようという「前向きな言動」をとる。
(3) ところが、Aさんは、周りの仲間や上司から、「前向きな言動」に関する、ちょっとしたネガティブな発言、態度を取られ、「嫌な感情」を得る。
(4) その後も、(3)が数回繰り返される。
(5) その過程において、Aさんの中に、「前向きな言動」=「嫌な感情」 というプログラムが形成されていく。
(6) さらに、「主体的な言動」=「嫌な感覚」と『一般化』された無意識プログラムが強化される。
(7) 「嫌な感覚」という痛みを避けるための、「主体的な言動」をしない自分を正当化する思考が
自然に生まれる。
(8) こうして個々人の思考の中で、「主体的な言動」をしないような無意識のプログラムが支配していく。
たとえば、もし新入社員が入ってきたとき、
「今度入社してきた人、なんだか張り切ってるみたいだけど、うちの会社では、あんなやり方じゃ通用しないよ。。」
なんて思い始めたら、あなたにも主体的な言動を避けるプログラムがしっかりとインストールされているかもしれません。
あなたが組織のリーダーであるなら、自分のチーム内での言動に注意を払うことが大切です。 主体的な言動に対しては、まずは評価をせずに、一度受け入れることを意識的に行うようにしましょう。
まずは、安心・安全の雰囲気づくりが重要です。
「主体的に動く部下がいない」と不平を言う前に、自分のチームが、
そんな「動かない社員」をつくるシステムになっていないか確認してみましょう。
YE━━━━━━ d(゚∀゚)b ━━━━━━S!!iz
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